「CBDが水虫に効く」という情報がインターネット上に流れているようです。
水虫はしつこく、毎年のように夏になるとかゆみに悩む人は少なくありません。
CBDが効くのなら、こんなにうれしいことはないでしょう。
しかし、本当にCBDが水虫に効くのでしょうか。
CBDとは
CBDとは、麻に含まれるカンナビノイドの一種です。
麻には80~114種類ほどのカンナビノイドが含まれていますが、麻の品種によっては40%ほどをCBDが占めていることがあります。
麻というと大麻草やマリファナを連想して危険に感じることでしょう。
マリファナの主成分はTHCという成分です。
体内にはCB1レセプター(受容体)が存在し、THCはCB1レセプターと親和性が高い特徴があります。
精神錯乱、幻覚、幻聴を引き起こす可能性があり、日本の法律では禁止されています。
一方、CBDにはTHCのような働きはなく、日本の法律では規制されていません。
CBDの研究が進められており、これまでには不眠症、不安、てんかん、皮膚炎、統合失調症などに関しての論文が発表されています。
日本ではオイル、リキッド、カプセルタイプのサプリメント、グミやチョコレートなどCBD入り食品などが販売されています。
日本の法律ではTHCを禁止されているため、これらの製品にはTHCは含まれていません。
水虫の原因
水虫の原因は、白癬菌というカビの一種です。
白癬菌が皮膚に棲みつくことで水虫が引き起こされます。
皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織で構成されています。
白癬菌が棲みつくのは、表皮のもっとも表面側の角質層です。
角質に棲みついた白癬菌がさまざまな代謝物質を作り出し、それによってアレルギー反応が引き起こされて、かゆみが生じます。
白癬菌は人間の体の中にもともといるものではなく、外から感染をするものなので外因性の感染症に分類されます。
古い角質は皮膚から剥がれ落ち、床などに落ちます。
この角質の中には白癬菌が棲みついており、角質が皮膚から剥がれ落ちた後でも生き延びています。
白癬菌を含む角質に水虫でない人が触れ、白癬菌が角質内に入り込んでしまうと水虫が移ります。
皮膚に付着してすぐに白癬菌が皮膚内部に入り込んでしまうのではなく、健康な皮膚であれば内部に入り込むまでに24時間ほどかかります。
感染リスクが高い場所は、水虫患者が靴を脱いで歩く場所です。
プール、温泉、トイレの共用スリッパ、お風呂のマットなどは感染リスクが高い場所です。
白癬菌は適度な水分と温度がある場所を好むため、長時間靴を履いている人は白癬菌が繁殖する絶好の機会を作っており、注意が必要です。
CBDは水虫に効く?
CBDが水虫に効くという報告はされていないようです。
CBDには皮膚炎への働きが報告されており、炎症を鎮める働き期待されています。
水虫に感染してしまったら、殺菌作用のある薬を使用することで改善が期待できます。
水虫に使用する薬には外用薬と内服薬があります。
医療機関で水虫と判断されれば、症状にあった薬を処方してもらえます。
OTC医薬品を使用してセルフケアも可能です。
水虫を改善するためには殺菌が必要なのですが、CBDは抗菌作用が期待されているものの、まだはっきりとした研究結果はでていません。
菌といっても殺菌効果を発揮する成分は菌の種類によって違うため、CBDがある種の菌に対して抗菌・殺菌作用を示しても、水虫の原因である白癬菌に効果を示すとは限りません。
水虫に感染してしまったら
水虫に感染してしまったかなと思ったら、まずは医療機関を受診しましょう。
水虫に似た皮膚疾患に、接触皮膚炎、汗疱性湿疹、皮膚カンジダ症、細菌の感染などがあります。
水虫だと勘違いをして自己判断で水虫薬を使用してしまうと、かぶれなどが悪化することがあります。
水虫は見た目だけでは判断できないので、医療機関での検査が必要です。
水虫だと判断された場合は薬を処方してもらえるので、医師や薬剤師の支持に従って薬を使用しましょう。
水虫に似た疾患であった場合でも、症状に合った薬を処方してもられるはずです。
その場合も医師や薬剤師の指示に従った薬を使用してください。
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